丸石神紀行

十三年前の地図を頼りに丸石神を求め、山梨県を徒歩で旅したさまよいの旅行記。

  1. 序文:
  2. 丸石神誕生:
  3. 丸石神信仰:
  4. 丸石神分布:
  5. 終文:

3.丸石神信仰 - 3

 さて、丸石神を考えた時、当然のことながら「石信仰」という大きなカテゴリーも視野に入れなければならない。

 昔から、石には心霊が宿り、また石を媒介として心霊が顕現するという信仰があった。中島厚の言う所、「石は魂の入れもの」で、木や石に神が宿る「依り代説」である。

 古く石器時代にまで遡っても、石は生活に欠かせないものであり、重宝されるものであった。石に対する感謝の思いは、次第に信仰に発展していく。恋はやがて愛にかわる、の過程を見る様だ。日本は、かまどやほうき、実に便所にまで神の宿る神秘の国だ。原始から人間社会に関わってきた石が、その例に漏れる事はまずない。

 また、生活や戦闘においても重要な位置を占める金属は、石に混じって、石と共に発見される事が多かった。当然人々は、金属の背後にある石を強く意識し、石が金属を生み出す母であると考えてもおかしくはない。石の豊かさとその不思議な力によって、人々は自然の石に霊性を認めてきた。それが石神発生の根幹にあるのだ。

石の母

 これらの自然崇拝を原点に、魂と玉、そして玉石が崇められるようになったのが「石信仰」である。俗物的な言い方をしてしまえば、魂の「たま」と「玉」を駄洒落ている訳だ。以前スクライドというアニメを見ていた友人の弟が、「オレの大事な玉がー!」というセリフに過敏に反応したらしいが、そう考えるとこの感覚は現代に通じるのだと思えない事もない。ちなみに思えないと言われた。

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